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『相続税、都市部で負担増~基礎控除見直し、調整難航も』

(以下、1月11日日経新聞より)

2013年度税制改正で、相続税の課税強化が大きな焦点になってきた。政府・自民党は最高税率について所得税は45%、相続税は55%を軸に引き上げの調整に入った。相続税は対象となる資産額から差し引く「基礎控除」も縮小する方向で検討に入ったが、この水準を巡り自民党内で意見が分かれている。地価の高い都市部に影響しやすい基礎控除の水準については、調整が難航する可能性がある。

 相続税は死亡した人から資産を譲り受ける時にかかる。昨夏に成立した消費増税法は相続税について、格差の固定化を防ぐために12年度中に必要な措置を講ずると定めている。

 1980年代後半以降の相続税は減税の歴史だ。地価が高騰するのに伴って相続税の負担が重くなる例が相次ぎ、政府は段階的に対象となる相続を多額の資産がある場合に限るような形で減税を進めてきた。死亡者数に対する課税件数は10年に4.2%。今の相続税は、死亡した100人のうち4人しか対象になっていない。

 政府は対象を少し広げようとしてきた。民主党政権だった昨年3月には消費増税法案に相続税の増税を盛り込んで閣議決定。相続税の対象を決める基礎控除を現行の「5000万円+1000万円×法定相続人数」から「3000万円+600万円×法定相続人数」に減らし、50%の最高税率を55%に上げるとした。

 その後の民主、自民、公明の3党による協議で相続税の増税は法案から削除され、改めて議論して12年度中に結論を出すことになった。当時、増税に慎重だったのが政権与党になった自民党だ。

 今回も、基礎控除を具体的にどのくらい縮小するのかでは意見が分かれる。財務省は民主党政権が示した案だと課税件数は今の4%から6%に上がると見ている。全国平均ならわずかな差だが、対象が集中しそうなのは地価が高い東京都だ。東京は今でも課税対象が10%程度あるとされる。自民党内には相続増税は「東京狙い撃ち」との不満が渦巻く。

 中小企業の相続を円滑にするための「事業承継税制」がうまく機能していないことも、相続税批判の底流にある。納税の猶予を受けられる仕組みだが、先代経営者の親族が代表者を継続しなければ利用できないなど厳しい要件がある。08年10月から12年9月までの認定件数は相続税で381件にとどまっている。

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