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「相続税理士」こう選ぶ

2015年からの相続増税を控え、頼りになる税理士を探す動きが広がりそうです。保有財産は自宅と老後資金という中流層でも課税の可能性があり、申告や節税対策で税理士に依頼する人が増えると見られるからです。ただ相続税に詳しい税理士は多くありません。税理士の選び方について日経新聞で記事がありましたのでご参考ください。

(以下、9月18日付「日経新聞」紙面より抜粋)

「納税資金の準備と税理士選びはお願いね」――。東京都に住む元会社員の原口宏さん(仮名、65)は妻に真顔で言われ苦笑した。

 約165平方メートル(50坪)の自宅と老後生活用の金融資産5000万円を保有。15年からの増税で相続税がかかる可能性がある。「納税資金は何とか用意できる」と話すものの、問題は税理士選び。頼れる税理士は必要だが、知人や友人に税理士はいない。

 原口さんのようなケースは多いと見られる。企業オーナーや地主など富裕層なら「節税など相続対策を相談できる顧問税理士がいるケースがほとんど」(メガバンクの担当者)。だが中流層は税理士に縁が薄い。

 相続税の申告や節税対策に自信がある人は自前でもいい。ただ相続税は原則、相続開始から10カ月以内に申告する必要があり、申告の中身も「財産内容にもよるが相当面倒」(相続税に詳しい税理士の阿保秋声氏)。例えば申告書に記載する自宅敷地など土地の課税上の評価額の算定。現預金は額面通りの評価額だが、土地は間口や奥行きの状況、形状などで評価額が大きく違う場合があり「専門家でも判断が難しいケースがある」(阿保氏)。節税対策は「税務署に否認される可能性を法令などで十分検討する必要がある」(税理士の藤曲武美氏)。費用がかかっても税理士に依頼する方が有利とも言える。

「精通した人は少数」

 では税理士をどう選べばいいか。知っておきたいのは「相続税や相続対策全般に精通した税理士はあまり多くない」(相続税が専門のランドマーク税理士法人代表税理士の清田幸弘氏)点だ。税理士は税務相談を受けたり納税者の申告代理をしたりするのが業務だが法人税、消費税など会社の税金を専門にする人の方が多い。個人分野、特に相続税が得意なのは少数派だ。

 「相続税に詳しい」税理士の見当がついても、いろいろなチェックポイントがある(表A)。税理士本人に聞くのは気が引ける面もあるが確認しながら選ぼう。

 まず相続税の申告代理の実績が豊富かどうか。相続税の申告数は年間約5万件。対して税理士は約7万4000人おり「何年間も相続税の申告代理をしていない人は少なくない」(相続税専門の税理士)。こうした中では例えば年間10件程度の申告実績があれば「申告の勘所がわかる」(阿保氏)。専門税理士が「複数以上いる事務所や税理士法人の方が安心できる」(清田氏)との見方もある。

 相続税の申告で最も面倒な相続財産、特に土地の評価に詳しいことも必要だ。財産の大半が土地である場合は多く「その評価額が課税額に大きく影響する」(税理士法人平川会計パートナーズ代表社員税理士の平川忠雄氏)からだ。土地の図面だけでなく「実際に現地に土地を見に行く手間を惜しまない税理士がよい」(阿保氏)と言える。

 相続税では申告者の3割弱が税務署に調査される。調査は主に申告漏れの財産の有無を調べ(表B)、調査対象者の約8割が申告漏れを指摘される。こうした現実を踏まえ税務署に対応できる能力、経験が必要だ。

 事前の節税対策で税理士を選ぶ際、特に注意したいのは行き過ぎた節税対策は税務署に否認される可能性が大きい点だ。「必ず根拠条文や経済効果を確かめるなど慎重に進める」(藤曲氏)税理士がいい。

「人間性も大事」

 相続は遺産分割でもめたり、納税資金の確保で資産を売却したりなど税金以外で煩わされることが多い。節税には必要でも納税者の不利になることがある。

 例えば現預金で持つより課税評価額が下がる土地を借金しても購入するよう勧める向きが多い。だが節税上は有効でも土地が十分な収益を生まなければ借金返済で納税資金の不足につながりかねない。「相続対策全体の中で節税を考える」(阿保氏)バランスのある税理士をみつけたい。

 知識などとともに必要なのは税理士の「人間力」だ。相続税の申告のためには財産など全てを税理士に伝える必要がある。「プライベートな部分まで伝えられるような相手かどうかが重要」(TOMA税理士法人代表社員の藤間秋男氏)となる。家族関係に目配りできるかもポイントだ。

 遺産分割でもめて訴訟に発展し、弁護士が必要になる場合がある。その際、相続に詳しい弁護士を紹介できるかも大切な観点だ。

 依頼する税理士をどこで探せばいいか(図C)。1つの方法として地元の税理士会や友人・知人らに「相続税に詳しい税理士はいないか」と紹介を頼む。金融機関の相続対策セミナーに税理士が出ていたら試しに聞こう。重要なのは何人かに候補を絞って表Aでチェックした上で「最終的には自分が信頼できると思える人にする」(藤間氏)ことだ。

 選んだ後の付き合い方で最も大切なのは信頼して任せた以上、隠し事をしないこと。例えば相続財産の一部を税理士に隠し、結果的に税理士が不十分な情報を基に申告し税務調査で指摘されると税理士との信頼関係が損なわれる。

 税理士への報酬は相続財産額に応じて決まるが、最低でも30万円前後かかる。財産内容によっては数百万円となるので必ず確認したい。

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