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----- 石井税理士事務所 -----


件名:◆節税対策メルマガVol.77◆2,000万円節税か、300万円追徴か、その分かれ目とは?
日付:2016/02/08
差出人:石井税理士事務所 



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  『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』Vol.77

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確定申告シーズン到来です。

当事務所でもこの時期は超忙しく日々過ごしております。


ところで、土地、建物等を売却した場合に譲渡益=譲渡所得が発生

した場合、譲渡所得に対し税金がかかり、確定申告が必要となります。

ちょうど3年前のメルマガでこの譲渡税について、場合によっては

1千万円以上節税可能な方法をご紹介しましたが、今回はその留意点に

ついてお話したいと思います。


まず、譲渡所得の計算は一般的には下記のように計算します。


 売却価額―(取得価額+譲渡費用)−特別控除額=譲渡所得金額


しかし、相続や贈与等により取得した不動産は「取得価額」が不明

な場合が多く、この場合は売却価額の5%を概算取得費として譲渡

所得を計算します。

売却価額の5%を概算取得費として計算するということは、売却価

額の95%が課税対象となるわけですので、かなりの納税負担が発生

することとなります。


この譲渡所得税を大幅に節税できる方法として下記の方法があります。


  ◯土地の取得価額→「市街地価格指数」で計算する。

  ◯建物の取得価額→「着工建築物構造別単価」で計算する。


「市街地価格指数」とは、財団法人日本不動産研究所が年2回公表し

ているもので、平成12年3月時点を100とした土地価格の指数です。

「着工建築物構造別単価」は、財団法人建設物価調査会が発行して

いるもので、建築統計年報で公表されているものです。


特に土地の価格については数千万円〜億単位になることもありますので、

「市街地価格指数」で計算することで税額に大きな差が出ることが

多いのです。

では実際にどれだけ税金が変わるのか具体例をあげて見てみましょう。


 (前提条件)

 ・土地所在地:東京都23区内の住宅地

 ・売却価額:1億円

 ・売却時期:平成27年3月

 ・取得価額:不明

 ・取得時期:昭和60年3月


 
(1)売却価額の5%を概算取得費として計算した場合の譲渡税額

 ・譲渡所得金額:1億円−1億円×5%=9,500万円

 ・譲渡税:9,500万円×20%※=1,900万円

 ※所得税率15%、住民税率5%


(2)「市街地価格指数」で計算した場合の譲渡税額

 ・譲渡所得金額:1億円―1億円×78.5/75.8※≒▲356万円→0円

 ・譲渡税:0円×20%=0円

 ※東京圏市街地価格指数:昭和60年3月→78.5、平成27年3月→75.8


(3)節税額

 (1)―(2)=1,900万円


このように、「売却価額の5%を概算取得費」として計算すると

譲渡に係る税金は1,900万円になりますが、「市街地価格指数」で

計算した場合は0円になり、1,900万円も節税できることになります。


この「市街地価格指数」を使う方法は

【国税不服審判所 平成12年11月16日裁決】

で税務署が更生処分をした際に採用した方法で、それを国税不服審判所が

「合理性がある」と判断しています。

つまり、国税がこの方法を認めていることが根拠となっています。


ところが、「市街地価格指数」を使って計算した場合に取得時の利用地目が

「畑」「田」等の農地であったときは、取得時の土地の地用状況が「住宅地」

では無いと推測されますので【市街地】価格指数の方法で計算するには無理が

生じます。


「市街地価格指数」を全ての事例について計算可能と考えることは、

かなり危険な考えなのです。

例えば上記の具体例が否認された場合、「加算税」「延滞税」が課され、

300万円近く納税負担が増えることになります。

2,000万円近く節税できることもあるのですが、逆に2,000万円近く納税し、

さらに追徴課税を300万円近く支払うこともあり得るわけです。

したがって、「市街地価格指数」を用いて計算する場合は個々の事例ごとに

慎重に判断する必要があるのです。


 いかがでしょうか?


「市街地価格指数」の計算方法を用いなくとも、取得時当初の融資額から

推計する方法もあります。

登記簿謄本の乙欄を見ると抵当権設定登記が記載されていることがあり、

ここに当時銀行から融資を受けた金額が記載されています。

通常、土地を購入したときの融資は購入価額の範囲内と考えられるので、

これを取得費として計算するのです。

ただし、この方法も「絶対」ではありません。

あくまでも「推計」の領域からは脱していないのです。


私は「市街地価格指数」を用いて譲渡所得の申告をしたことはありますが、

まず依頼者の方には税務否認リスクもあることを認識して頂いた上、

申告しています。

今回の譲渡に上記のような見落としは無いのか?

最近の新たな裁決例を見落としていないか?等々。

幸いなことに、これまで税務否認を受けたことはありませんが、

確定申告の中ではトップクラスに気を遣う申告です。


※確定申告期間中、メルマガ配信を一時休止させて頂きます。

次回は3月21日(月)配信予定ですのでご了承ください。


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