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件名:◆節税対策メルマガVol.72◆新・医療費控除は減税の恩恵を受けられるのか?
日付:2015/11/24
差出人:石井税理士事務所 

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  『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』Vol.72

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11月も残り1週間、今年もあと1ヶ月足らずで終わってしまいます。

会計事務所はこれから年末調整の集計に追われ、間髪入れずに1月

下旬からは確定申告の集計作業に入り、1年間で最も忙しい時期を

迎えます。


さて、今回はその確定申告に関するお話しで「医療費控除」について

お話しさせて頂きます。

医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた場合に、確定申告を行う

ことで税金が還付される制度ですが、「年間の医療費が10万円を超える」

ことは、そうそう無いものですし、10万以下の部分は控除から切り捨て

られてしまうので、確定申告を行っても大した減税の恩恵を受けにくい

ことが多いです。

この「医療費控除」に改正の動きがあり、現在よりは減税の恩恵を

受けられる可能性が出てきました。


そもそも医療費控除の制度はかなり奥が深い制度で、どのような場合に

適用があるか迷うことが多々あります。

医療費控除だけで1冊の本として出版されているものも多くあり、

専門家でも判断に迷うことがあるのです。


しかし、「えっ、こんなものまで対象になるの?」というものもあり、

意外と侮れない制度です。

まず、現状の医療費控除の制度についておさらいをしてみましょう。


対象となる医療費は入院や通院にかかった治療費はもちろんですが、

入院や通院にかかった交通費や薬局で買った治療薬も対象になります。

まず、見落としがちな医療費を挙げてみます。


〇入院・通院に関するもの

・入院、通院のための交通費(自家用車のガソリン代、駐車場代は対象外)

・入院時の病院給食費、病院に払ったクリーニング代

・治療に必要な差額ベッド代

・人間ドックの費用、メタボ検診の費用

(ただし、いずれも異常が見つかって治療した場合)


〇妊娠・出産に関するもの

・出産時に入院するためのタクシー代

・出産や入院で病院に払った費用、助産師に払った費用

・妊娠中の定期健診や検査の費用、妊婦や新生児の保険指導料

・不妊症治療の費用


〇歯や目の治療に関するもの

・金など保険が使えない高価な材料を使った治療の費用

・入れ歯の費用、インプラント治療の費用

・かみ合わせを直すための歯列矯正の費用

(ただし、美容目的の歯列矯正は対象外)


〇薬や器具に関するもの

・調剤薬局で買った薬代

・治療のために買った市販薬代

(ただし、予防目的は対象外)

・医師の指示で買った松葉杖や補聴器など



意外に範囲は広いと感じた方も多いのではないでしょうか。

一言でいうと「治療のために使った費用か否か」が判断基準となり、

美容目的、予防目的のものは対象外となります。

例えば、歯のホワイトニング、インフルエンザの予防接種等は対象外。

ドリンク剤やマスク等も×です。

電車等の交通費については集計していない方が多いので、1年分の

病院の領収書を基に交通費集計すると良いでしょう。


また、生計が一緒の家族のために払った医療費を申告することも

できますので、家族の医療費はまとめておきましょう。

誰が医療費控除の確定申告を行うかは、基本的には最も収入が多く

所得税率の高い人が申告すれば、減税額は多くなります。


では現状の医療費控除ではいくらぐらい戻ってくるのでしょうか?

まず、前述のとおり医療費が年間10万円を超えないと税金は

戻ってきません。


実際に所得から控除される医療費控除の額は次の計算式で計算します。


(年間医療費の合計額)―(保険金等の補てん金額)−10万円(※)

 ※年間所得が200万円未満の人はその5%の金額


まず、高額医療費や医療費保険等による給付金は医療費から控除

しなければならないこと。

また、年間の所得が200万円未満の人は、10万円控除するところを

「年間所得×5%」とすることができ、低所得者は年間の医療費が10万円

無くとも医療費控除を受けられることがあります。

(給与収入の場合、年収が約310万円以下の人があてはまります。)

この点については意外と知らない方も多いので注意が必要です。


では、実際にどれくらい戻ってくるのか、例をあげて見てみましょう。


【前提条件】

 ・給与年収:500万円

 ・年間社会保険料支払額:75万円

 ・配偶者あり(専業主婦)

 ・子供一人(小学生)


【1】現状の所得税と住民税負担額

  307,000円


【2】年間医療費が15万円かかった場合の所得税と住民税負担額

  296,900円(減税額10,100円) 


【3】年間医療費が20万円かかった場合の所得税と住民税負担額

  289,400円(減税額17,600円)


【4】年間医療費が30万円かかった場合の所得税と住民税負担額

  274,300円(減税額32,700円)


意外と少ないと思われた方も多いと思います。

年間医療費15万円といったら結構な額ですが、減税額は1万円程度

です。これだけのために確定申告を会計事務所に依頼したら、報酬

支払い分の方が減税額より多くなってしまい、申告する意味も

なくなってしまいます。

したがって、相当多くの医療費が無い限り、医療費控除の申告は

会計事務所に依頼せず(泣)、自分で申告しないと足がでます。



さて、長々と書きましたがここからが本題です。


上述のとおり、かなりの医療費を支払わなければ(若しくは高所得者

でなければ)医療費控除の恩恵を受けにくいところですが、現在

市販薬について、年1万円を超える出費をした場合、1万円を超える

部分を医療費控除として課税所得から差し引く案が検討されています。

早ければ2016年から実施される予定です。


【市販薬】という限定ですが、10万円超→1万円超と、一気にハードル

が低くなったことになります。

既存の医療費控除は今後も続け、基本的に新設予定の【市販薬】の控除

とどちらか選んで申告することになるようです。

対象の市販薬の範囲をめぐっては調整中ですが、しっかりと効能が

認められる鎮痛剤や胃腸薬などは少なくとも対象になりそうです。


仮に上記の例で年間医療費が全て【市販薬】だった場合の所得税と

住民税の負担額は以下のようになります。


【1】年間医療費15万円の場合

  283,400円(減税額23,600円)


【2】年間医療費20万円の場合

  275,800円(減税額31,200円)


【3】年間医療費30万円の場合

  260,700円(減税額46,300円)

  
まあ市販薬を年間15万円も購入するかは別として、減税の恩恵は

現在の医療費控除の制度より受けやすくなりそうです。


 いかがでしょうか?


この制度の政府の思惑は医療機関への支払削減、すなわち社会保障費

の抑制を図ることにあります。

減税規模は数百億円になりそうですが、病院に行かずに市販薬での

治療による医療費削減が減収を上回る可能性があるようです。

なお、税制改正の詳細速報については1月中旬にこのメルマガでも

お知らせする予定ですのでご期待ください。


医療費控除の申告は最大で過去5年間遡って申告可能です。

申告しようと思い、そのままになっている領収書があれば、交通費等

の計算も行い申告してみてはいかがでしょうか?


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