「『あらゆる節税対策を紹介する』メルマガ」 (バックナンバー閲覧)
----- 石井税理士事務所 -----


件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆議事録作成は本当に必要なのか?
日付:2015/04/20
差出人:石井税理士事務所 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

   『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』

  (隔週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)配信)

     発行:石井税理士事務所
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 このメルマガは、お名刺の交換や当事務所への資料請求、また弊
 所へのメルマガ登録をされた方にお送りしております。
 
************************************************************

◆ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介頂ければ、幸いです。
https://mm.jcity.com/MM_PublicSubscribe.cfm?UserID=ishii&MagazineID=1&MoreItem=1

◆顧問契約、単発のご相談(相続対策など)のお問合せは
047−302−8011(平日9:00〜18:00)
http://ishiizeirisi.com/contact

************************************************************

4月中旬になり、天候不順な日が続いておりますね。

ただ、気温はようやくあがってきて温かくなってきました。


ところで、この時期には税務調査がよく行われます。

通常、税務調査は春と秋に行われますが、今まさに春の税務調査の

真っ最中といったところです。

その税務調査で問題視されるもののひとつに【議事録】があります。

多くの中小企業では株主総会などは実際には行われず、

形式的な議事録だけが存在しているのが現状です。

また、議事録自体作成していない会社も多いことでしょう。

しかし、この議事録が一体どこまで存在価値があるのかは、

疑問が残るところでもあります。


今回はこれについて過去の裁決をご紹介し考えてみたいと思います。


【平成5年4月19日の裁決】


 この事例では議事録が二つ存在しており、最初の議事録では

 役員報酬限度額が2,000万円と記載されていました。

 しかし、実際に支給された役員報酬額の総額は2,760万円で、

 記載金額を760万円オーバーしていました。

 限度額を超えた760万円は過大役員給与として税務調査で問題視

 され、税務調査官から否認の指摘を受けました。

 そこで、担当税理士は後から役員報酬限度額3,000万円以下と記載

 された議事録を提出し、「こちらが正しい議事録です。」と主張

 しました。
 

  税務署側の主張は以下のとおりです。


 〇後から提出された議事録は指摘後に作成し直したものなので

  認められない。

 〇職務内容を考慮して過大役員報酬か否かを判断する。



  一方、納税者側の主張は以下のとおりです。


 〇実際に株主総会は開催されておらず、議事録は形式的な書類にすぎない。

  したがって、最初に見せた議事録で役員報酬額を判断すべきではない。

 〇議事録が根拠になるのなら、最初に見せた議事録には誤りがあり、

  納税者の認識と不一致しており、後から提出した議事録が正しい。



 これについて国税不服審判所は下記の判断をし、

 税務署側の主張を認めました。


 ○納税者は顧問税理士に議事録の作成を依頼している。

 ○税理士が作成した議事録を各役員が回覧で確認し捺印している。
 
  →実質的に株主総会が開催され、決議が行われた上で、

   議事録が作成されたものと認められる。

  ⇒最初に作成された議事録により過大役員報酬か否かを判断する

   べきである。



 この裁決から学ぶべきことはいくつかあります。


 〇議事録は絶対的に必要な書類ではなく、あくまで実態で判断される。

 〇一方で、その実態を証明することは難しい。

 〇したがって、役員報酬を決めた時点で、遅滞なく、実態を反映した

  議事録を作成するのが望ましい。


 上記の裁決では、役員報酬を決定する前の「原案」として議事録が

 作成され、そのままの状態で税務調査を迎えてしまったところに

 落ち度があります。

 税務調査が入って指摘され、後づけで議事録を作成し、

 「これが正しいです」

 というのもちょっと無理があるのではないでしょうか。


  いかがでしょうか?


一般的に「税務調査のために議事録を必ず作成しておくこと!」

などとよく言われるのですが、「形式的に作成すれば良い」

という考えでは足元をすくわれることになりかねないのです。


税法の原則的な考え方に「形式ではなく、実態に即して課税する」

という考え方があります。

これは、契約書や議事録などの形式的な資料だけを根拠とするのではなく、

実態に即した課税を行う、というものです。

したがって、税務調査官は、形式的な証拠に止まることなく、

実態が何なのか、一つひとつ確認をしながら税務調査を

実施していくわけです。

このため、議事録があったとしても、それは税務調査官を説得する

決め手にはなりえないのです。

しかし、困ったことに、現実的には税務調査官も交渉を

優位に進めるために、

「議事録も作ってないんですか?それはでは認められませんね」

といった指導をすることが「よく」あるのです。

 
税務の本質はあくまで「実態」であり「形式」ではありません。

しかし、「実態」を証明する手段として「実態」に則した「形式」

を整備することも必要なのです。



※次回の「あらゆる節税対策を紹介するメルマガ」はゴールデン

ウィークのため、5月11日(月)配信予定です。

どうぞよろしくお願いします。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「『あらゆる節税対策を紹介する』メルマガ」

(毎月第3月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)配信)

 発行:石井税理士事務所
 住所:千葉県市川市八幡2-11-13
 電話:047-302-8011

 メルマガの感想・お問い合わせはこちら
 ishii@ishiizeirisi.com

 石井税理士事務所ホームページ
 (経営者向けサイト) https://ishiizeirisi.com/
 (相続専門サイト)  https://ishiizeirisi.p-kit.com/

メールアドレスの変更は次のURLをクリックしてください
<メールアドレス変更URL(アドレス確認なし)>

バックナンバー閲覧は次のURLをクリックしてください
<バックナンバー閲覧URL(アドレス確認なし)>

購読停止は次のURLをクリックしてください
<購読停止URL(アドレス確認あり)>

メルマガシステム運営
JCity : http://www.jcity.co.jp/?ac=17S17S17S22066


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
バックナンバー一覧に戻る