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件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆中古ベンツは本当に節税になるのか?
日付:2013/04/08
差出人:石井税理士事務所 

『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』(毎月第2、第4水曜日配信)

このメールマガジンは、最新の節税対策を中心とする税務情報を詳しく
ご紹介します。

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「中古ベンツを買って節税!」時々そんな話しを耳にします。確かそん

 な本も出ていたような・・・。


 今回はこのような高級車が経費計上できるかというお話しをします。

 

 まず、車は買った時の金額が1年で全て経費になるものではありません。

 例えば500万円で新車のベンツを買ったとしても6年間に分割して経費計

 上していきます。

 このように、数年にわたって経費を費用化していく資産を減価償却資産

 と言います。


 上記の例でいくと、下記の経費が6年にわたって、減価償却費として下記

 の金額が計上されることになります。


  1年目1,665,000円 2年目1,110,555円 3年目740,740円

  4年目495,557円  5年目495,557円  6年目492,590円


 6年という数字は車の予測される使用可能年数です。新車は6年と定めら

 いて、この年数を耐用年数と言います。
   

 しかし、4年落ちの中古のベンツを買ったら1年で経費に落とすことがで

 きるのです。

 具体的には1年目に4,999,999円の経費が減価償却費として計上されるこ

 ととなります。


 4年落ちにのベンツは6年−4年=2年が耐用年数になります。

 実はこの場合、車であればほぼ全額が1年目に減価償却費として計上さ

 れることができます。2年に分割計上ではないんですね。


 新車の場合もそうですが、車の場合は早い年数のほうが減価償却費が多

 く計上することができる仕組みになっています。

 2年の耐用年数だとそれが最も顕著に表れるんですね。


 このように、確かに中古のベンツは一気に経費計上できますの、節税効

 果は確かにあります。



 しかし中古のベンツを買って1年目に一気に経費計上するつもりで購入し

 ても、ベンツ自体が会社のものとして認められないことがあります。

 ベンツだけでなく、フェラーリ、ポルシェのような高級車やクルーザー、

 別荘なんかもそうですね。


 それはこれらのものが「会社所有」か「個人(社長)所有」か、という問

 題で、税務署との見解の相違がでてくるためです。


 
 この点は興味深い判例がありますのでご紹介します。

 下記の点を買う前に充分、ご注意くださいね。

 
  
 まずは、前提条件です。

 ○ クルーザー、フェラーリを会社名義で購入

 ○ クルーザーは接待用、福利厚生用
 
 ○ フェラーリは通勤、移動、出張用

 ○ クルーザーを利用した接待、福利厚生の記録無し

 ○ 出張旅費規定もあり、フェラーリで移動した記録あり


 これに対して、税務署は

 ○ 同族会社だからできることである

 ○ クルーザー、フェラーリとも個人的な物である

 ○ 減価償却費は認められない

 ○ クルーザー、フェラーリの購入費用は役員賞与である

 としたのです。


 しかし、会社は

 ○ クルーザー

 → 給油の記録あり

 → 接待用、福利厚生用として利用している

 ○ フェラーリ

 → 2人乗りではあるが、特殊ではない

 → 実際に、会社で使用している

 → 自宅に保管しているのは、管理上の問題

 と主張しました。


 最終的に、国税不服審判所は下記の判断をしました。

 ○ クルーザーは

 → 接待の記録が無い

 → 福利厚生の規定、記録などが無い

 → 個人的に使用した場合の利用料を取っていない

 ということで、税務署の主張を認める。


 ○ フェラーリは

 → 他の役員が使用しても記録無し

 → 出張旅費規定により、旅費精算書の記録あり(処理も適正)

 → 個人的な趣味があっても、会社で使用されているからOK

 → 個人名義でも自動車を所有(経費は個人負担として区別)

 ということで、会社の主張を認める。


 いかがでしょうか?


 同じような物でも、判断が分かれたことは注目です。 

 ここで大切なことは

「クルーザー = 会社の経費にならない」

 ではありません。


 クルーザーに関しては

接待、福利厚生の事実を「会社が立証できなかった」
  
 ということなのです。

 自分が主張するなら、【自分で立証】しなければならないのです。

そのため、普段から記録を残すことは税務調査で大きな力を持つのです。


 みなさんの会社は

「自分が主張することに対する立証責任」があります。


 一方、税務署は

「否認することに対する立証責任」があります。


 しかし、税務署には「同族会社の行為計算の否認」という伝家の宝刀

 があります。これは「同族会社の場合、税務署が駄目と言ったら駄目」

 という、ある意味、税務署に無茶苦茶都合の良い法律です。

 今回の事例でも税務署はこれを使って、否認してきました。


 みなさんの会社では、グレーゾ−ンの事実はありますか?

 もし、あるなら、必ず「立証するための証拠」を残して下さい。

 それが「会社側の大きな力」になるのです。


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