件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆不動産管理会社の適正管理料とは? 日付:2014/10/06 差出人:石井税理士事務所
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9月27日に相続税の個別相談会を実施しましたが、不動産活用による
相続対策のご相談をよく受けることがあります。
そこで今回は不動産管理会社における節税についてお話ししたいと
思います。
不動産管理会社を設立して節税するスキームは広く知られています
が、税務的によく問題となるのが、高額な不動産管理料を設定して
いる場合です。
これについては次の項目を検討したうえで設定すると良いです。
【1】通常の(第三者による)管理料割合はどれくらいなのか
【2】過去の判決・裁決で是認される管理料割合はどれくらいなのか
では具体的に見てみましょう。
【1】通常の(第三者による)管理料割合はどれくらいなのか 管理料の徴収方法としては、管理委託方式と転貸(サブリース)
方式があります。
管理委託方式は個人所有の不動産を管理し、管理料を徴収する方法、
転貸(サブリース)方式は個人所有の不動産を会社に貸付し、他社
に転貸し、その差額分を管理料として徴収する方法です。
一般的には下記の管理料割合が相場と言われています。
〇管理委託方式:3%〜8%
〇転貸(サブリース)方式:10%〜20%
したがって、上記の割合より過大に管理料割合を設定した場合、
税務上否認される可能性が高くなると言えます。
【2】過去の判決・裁決で是認される管理料割合はどれくらいなのか
過去の判決・裁決をまとめてみました。
・平成1年7月5日国税不服審判所裁決
申告管理料割合50%→是正管理料割合6.6%
・平成4年5月14日福岡地裁判決
申告管理料割合32%→是正管理料割合5.4%
・平成6年1月28日東京地裁判決
申告管理料割合36%→是正管理料割合4.8%
・平成12年1月31日国税不服審判所裁決
申告管理料割合46.4%→是正管理料割合9.4%
・平成13年1月30日東京地裁判決
申告管理料割合58.2%→是正管理料割合9.9%
・平成13年9月25日国税不服審判所裁決
申告管理料割合25%→是正管理料割合20%
最後の平成13年9月25日国税不服審判所の裁決の20%を除けば、おお
むね5%〜10%が適正管理料割合として認められています。
ここで、捕捉しておきたいのが、平成13年9月25日の裁決では何故20%
と比較的高額な管理料割合が認められたということです。
それは「実態の伴う管理」を行っていたからです。
この事例では、入居者選定、募集、賃貸借契約、入退去時の改装、集金、
督促、退去交渉、入居者からの苦情処理、建物清掃、法定資格を保有し
た者による法定点検等を実際に不動産会社が行っていました。
また、これらの毎日の記録とその書類を整然と整理・保管し、第三者の
従業員も採用していました。
文字どおり、様々な「管理」を実際に行っていたわけです。
上記以外の裁決では平成18年6月13日の国税不服審判所の裁決で、「管理
の実態が伴わない」ことから、申告管理料割合10%→是正管理料割合0%、
すなわち全否認されている裁決があります。
国税庁は「個人課税部門における事務運営の執行等に関する指示事項につ
いて(指示)平成12年9月6日課所6-46」の中で、「不動産管理料の算定方式
について、不動産所得を有している個人が、自己又は親族の主宰する不動
産管理会社を設立し、その不動産管理会社に高額な管理料を支払うなどし
ている場合における当該管理料又は管理料率については、目安となる適正
額といったものはないのであり、委託する管理業務の内容、事業規模や収益
の状況等個々の実態に応じて適切に取り扱うよう周知・徹底されたい」とし
ています。
つまり、管理の実態が伴えば20%の管理料割合もOKだし、逆に管理の実態が
伴わない場合は全否認もあり得る、ということになります。
いかがでしょうか?
単なるペーパーカンパニーの不動産管理会社は現実的には非常に多いと
思いますが、上記の裁決等を見る限り、管理実態を伴った管理料設定を
行わないと、税務上否認リスクが非常に高くなることを肝に銘じておいたほう
が良いでしょう。
具体的には不動産仲介業者への斡旋依頼、入居者との賃貸借契約書の締結、
家賃や地代の集金、退去時の原状回復交渉、改装の発注・支払、清掃、水回り
やエレベーターの定期点検、賃料の値上げ交渉、入居者からの苦情処理など
の管理項目を設定し、キチンと【管理】することが重要です。
実務的にはおおむね下記の割合で管理料割合を設定することが多いです。
〇管理委託方式:3%〜15%
〇転貸(サブリース)方式:10%〜25%
結構幅がありますが、どの程度実際に【管理】できるかを考慮したうえで、
決定してみてくださいね。
・・・・しかし、最も重要なことは、いかに高収益物件を確保できるかです。
利回りの低い物件や空室率の高い物件を購入して不動産管理管理会社の節税
を検討しても本末転倒になってしまいます・・・。
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