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----- 石井税理士事務所 -----


件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆消費税の誤解についてお話しします
日付:2014/07/14
差出人:石井税理士事務所 

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事務所の移転準備で最近追われた日々を送っております。

移転と言っても1階から3階に移るだけなのですが、レイアウトを

考え、新たにデスク、パソコン、複合機等の選定・発注等・・・・

普段慣れないことを行っておりましたので、いささかグロッキー気味

です。


そんな最中このメルマガ原稿を作成しておりますが、「自分はやっぱ

り、この方が性にあっている。」と感じております。

ちなみに、本日はこの原稿を作成し終わったら、新事務所の掃除と

ブラインドの取り付け作業にかかります(笑)


さて、今回は「消費税についての誤解」をテーマにお話しいたします。

消費税の仕組みはいささか複雑なので、経営者の方々と話しをしていて

も「誤解しているな」と思うことが【よく】あります。


その中で誤解や質問が多い項目を列挙してみますと以下のとおりです。


 [1]増税前に商品・備品を買ってしまった方が得?

 [2]税抜処理と税込処理ではどっちが得?

 [3]原則課税と簡易課税って何?そしてどっちが得?

 [4]免税事業者は消費税を請求してはいけないのか?


全部話しをすると、とても長くなりますので、今回は

「増税前に商品・備品を買ってしまった方が得?」

についてお話しします。

(その他の項目は改めてご説明しますが、大まかに言うと、[2]について

は「税抜処理が得」、[3]については本メルマガで簡単に説明します。

[4]については「請求してもよい」です。)


[1]については費税率が5%→8%に上がった時によくあったご質問です。

結論は原則として、損にも得にもならないのですが、場合によっては

得になることもあります。

これはその方の立場、状況によって変わりますので、自分がどの立場、

状況に該当するのかを把握しておかないと誤った認識をしてしまいます。


具体的に何を把握すべきかは、以下のとおりです。


 【1】自分は消費者か事業者か

 【2】自分は消費税の免税事業者か

 【3】自分は簡易課税を選択しているか

 【4】取引先は税率アップに伴い、便乗値上げがあるか



では具体的に見ていきましょう。


【1】自分は消費者か事業者か

 消費者とは、簡単に言えばサラリーマン等、勤め人の方です。

 事業者は会社経営者や個人事業主の方をさします。


 この場合の損得は以下のとおりです。


  ○消費者:増税前に買った方が(基本的には)得

  ○事業者:増税前でも増税後でも変わらない

  (ただし、【2】【3】【4】の場合を除く。)


 消費税の消費者と事業者の決定的な違いは消費者は消費税を

 支払うだけですが、事業者は預かった消費税から支払った消費税

 をさし引いて、その差額を納税することにあります。

 消費者はただただ、消費税を支払うだけですので、税率アップに

 伴う便乗値上げ等がなければ、税率が低い時に買っておいた方が

 得になります。


 事業者は前述のとおり、消費税の納税については


 【預かった消費税】−【支払った消費税】=【納付すべき消費税】


 となります。また、 簡単に言うと


  ○預かった消費税=売上に係る消費税

  ○支払った消費税=仕入れ、経費に係る消費税


 です。


 では実際に増税前に物を買った場合と、増税後に買った場合で

 損得が出るのかを見てみます。


 仕入6千万円を増税前(消費税率5%)に購入した場合と

 増税後(消費税率8%)に購入した場合で比較してみます。

 ※売上に係る消費税=預かった消費税を8百万円の前提とします。


 【1】仕入6千万円を増税前(消費税率5%)に購入した場合

 (1)預かった消費税:8百万円

 (2)支払った消費税:6千万円×5%=3百万円

 (3)支払消費税額

   @税務署に納付する消費税額:8百万円−3百万円=5百万円

   A仕入業者に支払った消費税額:3百万円

   B合計@+A=8百万円


 【2】仕入6千万円を増税前(消費税率8%)に購入した場合

 (1)預かった消費税:8百万円

 (2)支払った消費税:6千万円×8%=480万円

 (3)支払消費税額

   @税務署に納付する消費税額:5百万円−480万円=320万円

   A仕入業者に支払った消費税額:480百万円

   B合計@+A=8百万円


 ご覧のように【1】も【2】も支払消費税額は一致します。

 つまり、

 ○売上に係る消費税=預かった消費税はすべて、手元から出ていく。

 ○これを、

 (A)税務署に払うか

 (B)経費の支払いに乗せて業者に支払うか

 の違いになります。


 【業者にたくさん払えば、税務署に払う額がその分減る】ということです。


 これが理解できれば


 【2】自分は消費税の免税事業者か

 【3】自分は簡易課税を選択しているか


 については理解できると思います。


【2】自分は消費税の免税事業者か

 については、税務署に納付する消費税がないので、業者に支払う

 消費税額が少ない方が得になります。

 したがって、増税前に購入した方が得になるということになります。


【3】自分は簡易課税を選択しているか

 については、通常、消費税を計算する場合は前述のとおり

 【預かった消費税】−【支払った消費税】=【納付すべき消費税】

 で計算しますが、簡易課税は業種区分に応じ、

 売上に係る消費税=【預かった消費税】×一定の率×消費税率

 で税務署に納付する消費税額を計算します。

 つまり、税務署に払う消費税は業者に支払う消費税を全く考慮しない

 ので、業者に支払う消費税額が少ない方が得になります。

 したがって、増税前に購入した方が得になるということになります。


【4】税率アップに伴い、便乗値上げがあるか 

 これは微妙な問題ですが、消費費税率アップに伴い、商品単価が上げられ

 る場合があります。

 商品自体の単価が上がるのが、あらかじめ分かっているのならば、消費税

 の納税に損得はないものの、実質的な「値上げ」になるので、増税前(正

 しくは「値上げ前」というべきでしょう。)に購入した方が得になります。


 いかがでしょうか?

 
 今回あえてこのテーマを取り上げたのは、来年の10月には8%→10%

 に消費税率が上がることが予想されているからです。

 まず、自分のポジション(立場、状況)がどこにあるのかをしっかり把握

 したうえで、増税前に購入すべきかどうかを検討してみてくださいね。

 安易な駆け込み消費は資金繰りの圧迫を招きかねないですから、よ〜く検討

 しましょう。


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