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件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆使用人兼務役員の節税と注意点
日付:2014/06/16
差出人:石井税理士事務所 

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先日、総理大臣官邸で開かれた経済財政諮問会議では、政府が今月

下旬に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる

「骨太の方針」の素案が示されました。

これによりますと、焦点の法人税の実効税率の取り扱いについて、

「数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す。

この引き下げは、来年度から開始する」と明記されました。


法人実効税率が下がることで、特に小規模な会社の役員報酬額の

決定についても少なからず影響を与えます。

例えば「役員報酬を高く設定して、法人の利益を抑えて法人税を

極力減額し、役員報酬額の一部をプール金として確保する」とい

うやり方がありますが、これを「節税になるから」と思って実行

しているのならば、その考え方はもはや昔の考え方になっています。


今後はますます役員報酬額と法人利益のバランスを見て最適な役員

報酬額をシミュレーションしていく必要があると思っています。


さて、今回はその役員報酬についてのお話しです。


「使用人兼務役員」という名称を聞いたことがあると思いますが、

これについての節税と留意点についてお話ししたいと思います。


まず、「使用人兼務役員」の意味ですが、会社の役員のうち、部長や

課長などの使用人としての職務を兼務している人のことをいいます。

原則として代表権を持つ役員や常務以上の肩書きの役員、監査役など

は、使用人としての職務を行っていても使用人兼務役員にはなれません。


使用人兼務役員の節税メリットですが、主に下記の項目が挙げられます。


 ○賞与を支給することができる(経費として計上できる)

 ○雇用保険に加入できる

 ○労災保険に加入できる


賞与を支給することができれば、法人の利益は圧縮できますので、法人

税の節税になります。

しかし、通常の役員では経費とならない賞与を経費扱いにできるのです

からそれなりに注意すべき点もあります。


まず、支給時の留意点はつぎのとおりです。


 ○他の使用人に対する賞与の支給時期に支給していること

 ○役員賞与相当分と使用人賞与相当分とが明確に区分されていること

 ○使用人賞与を損金経理していること

 ○他の使用人に対する賞与の支給状況に照らし金額が適正であること


次に保管しておくべき書類についてあげてみます

 ○株主総会議事録(取締役会議事録)

 ○兼務役員雇用実態証明書


株主総会議事録(取締役会議事録)については4月7日のメルマガで

少し触れましたが、ここで詳しくお話しをしておきます。

役員報酬を決定する際には、株主総会議事録や取締役会議事録等の議

事録を作成し会社で保管しておく必要があります。

税務調査ではほとんどの場合、この議事録の提出を求められ、適正な

役員報酬額の決定がなされているかのチェックをしていきます。

このとき、使用人兼務役員のいる会社は議事録の作成に特に注意が

必要となります。


具体的には、例えば次のように記載します。


 役員報酬額:取締役A ○○円

 なお、上記の金額は使用人兼務取締役の使用人分は含まない。

 使用人分の給与については、他の社員(従業員)に準拠した金額を

 もって支給する。


つまり、給与については役員報酬額と使用人支給額を明確に分けて支給

することが必要となるのです。


兼務役員雇用実態証明書は雇用保険加入時にハローワークに提出する

書類です。

役員が使用人としての身分も持ち合わせていることの証明となる書類

となります。


使用人兼務役員は税法上、「この書類があれば使用人兼務役員として

認められる」といったことは明確にされていないので、実態はもちろん

ですが、形式的にも様々な書類を作成し、保管しておいた方が良いのです。

名刺や組織図などの資料も意外と侮れない証拠書類となるのです。


 いかがでしょうか?


役員については税務上様々な規制があります。本来は支給できないもの

を支給できるのですから、税務署の眼も厳しくなります。

そのための準備を怠らないようにしておくことで税務否認を回避でき、

結果的に節税ができることとなるのです。


最後に「原則として代表権を持つ役員や常務以上の肩書きの役員、

監査役などは、使用人としての職務を行っていても使用人兼務役員

にはなれません。」と述べましたが、実は認められる場合もあるこ

とをお伝えしておきます。


平成14年1月31日の国税不服審判所の裁決ですが、これによる

と『常務取締役』の肩書を持つ役員の賞与が経費として認められて

います。

原則は常務取締役の賞与は経費として認められませんが、上記の場合

の『常務』の名称は単なる形式的な通称であり、実態は営業マンと

して従業員と同様の仕事をしていると判断されています。

これは国税不服審判所が形式だけで判断せず、実態をもって判断した

がゆえに、納税者が勝った事例ですが、【形式】と【実態】の両側面

からきちんと説明ができるようにしておくことが大切です。


【形式】と【実態】の根拠説明は、今回の使用人兼務役員の問題だけ

ではなく、あらゆる税務上の問題において共通する重要項目です。

しっかりと頭にいれておいてくださいね。


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