件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆借金したら相続税は減る? 日付:2014/05/05 差出人:石井税理士事務所
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前回のメルマガでも告知いたしましたが、5月6日(火・祝)に相続税
の無料個別相談会を行います。
大した宣伝もしませんでしたが、おかげさまで当初の予定人数を超え
たご予約があり、開始時間を1時間早めて行うこととなりました。
改めて相続に対する関心の高さを感じています。
というわけで、前回に引き続き今回も相続対策のお話しを致します。
今回は「借金が相続対策になるのか?」というお話しです。
盲信的に「借金が相続税対策になる」と考えている人は、実はかなり
多くいると思っていますが、これは個々の状況・ケースバイケースで
判断したほうが良いと思っています。
まったく使う当てがないのに借金しても意味はありません。
例えば、1億円の借金をした場合、手元に1億円の現金がはいってきます。
この場合の純財産は
1億円(現金)−1億円(借金)=0円
です。状況は全く変わりません。むしろ利息の支払いで無駄に財産を
減らしていることになります。
相続対策をするために借金をする場合とは、一般的には所有している
土地にアパートやマンションを建てること等、現金(=借金)を不動産
に換価することが考えられます。
具体例をあげましょう。
○預貯金:3億円
○アパート建設予定地の土地評価額:1億円
○アパート建築予定資金:2億円
○借入予定額:2億円
○推定相続人:子1人
上記の前提で
【1】なにもしない場合
【2】借金してアパートを建てた場合
【3】借金せずにアパートを建てた場合
で相続税がどれくらい違ってくるかを計算してみましょう。
【1】なにもしない場合
(1)財産総額:預貯金3億円+土地1億円=4億円
(2)相続税額:1億2,300万円
【2】借金してアパートを建てた場合
アパートを建てた場合、建物の評価額は通常、建築資金の50%〜60%
で評価されます。さらに貸しつけることにより、70%の評価となります。
また、アパートの敷地も貸しつけることにより、約80%の評価となります。
さらに、借金を債務として財産から控除することができます。
これらを踏まえて計算すると相続税額は下記のとおりです。
(1)財産総額
@預貯金:3億円
Aアパートの評価額:建築資金2億円×50%×70%=7千万円
B土地の評価額:1億円×80%=8千万円
C借金:2億円
合計:@+A+B−C=2億5千万円
(2)相続税額:5,900万円
【3】借金せずにアパートを建てた場合
この場合は手持ちの預貯金からアパート建築資金を捻出しますので、
預貯金は減少します。アパートの評価と土地の評価は【2】と同様です。
(1)財産総額
@預貯金:3億円−建築資金2億円=1億円
Aアパートの評価額:建築資金2億円×50%×70%=7千万円
B土地の評価額:1億円×80%=8千万円
合計:@+A+B=2億5千万円
(2)相続税額:5,900万円
確かに、【2】の「借金をしてアパートを建てた場合」では、
【1】の「何もしない場合」に比べて相続税額が1億2,300万円
→5,900万円に激減しています。
ところが、【3】の「借金せずにアパートを建てた場合」も、
【2】の「借金をしてアパートを建てた場合」も、相続税額は
5,900万円で変わりありません。
借金した場合は利息を払わなければなりません。2億円で年利2%
・返済期間が30年の場合、利息総額は6,600万円にもなります。
返済できるだけのお金がありながら、無駄な利息を支払い続けている
ことになるのです。
そして、アパートを建てるにあたっては、収支計画(利回り)の問題、
不動産管理会社導入の検討、空室リスク、一括借り上げによる家賃変更
のリスク等、検討すべき項目が多々あります。
相続対策になると思い実行したものの、当初の計画が想定どおりにいかず
借金の返済に苦労するといったこともあり得るのです。
これでは、本末転倒の結果になってしまい、別の相続対策を中心に進めて
行ったほう良いことになります。
いかがでしょうか?
まず、単純には【借金=相続税対策】とはならないことを理解しておき
ましょう。充分な預貯金があるのに無駄な借金はしないことです。
そして、アパート経営に着手するのであれば、事前の市場調査、収支計画
等をしっかりと行ったうえ、実行するようにしましょう。
建築業者、不動産業者、銀行等、アパート経営に関わる方々はそれぞれの
立場の視点から話しを進めていきます。
客観的な立場で検討のできる税理士に収支計画を見てもらうなど、かたよ
った意見にとらわれず、広く相談してみてくださいね。
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