件名:◆「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ◆自宅の売却で1,000万円も納税に差がでる? 日付:2014/03/24 差出人:石井税理士事務所
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先日、確定申告が終わりました。今年は昨年の倍以上のご依頼があり、
相当きつかったですがどうにかやり切りました。
いろいろなご縁から、ご紹介を受け、大変ありがたいと思っています。
さて、確定申告の中でも特に大きな納税が発生するものに不動産の譲渡
に関する税金(譲渡所得税)があります。
不動産の売買は売却価格が数千万円単位になったりしますので、税金も
数百万円単位になることもよくあります。
ところで、自宅を売却する場合には、税制上さまざまな特例措置が設
けられていて、住換えのために納税者の税負担がかからないような措置
がとられています。
この中でも「居住用財産を売却した場合の3,000万円控除の特例」とい
う特例制度はよく使われる制度です。
今回はこの特例制度に関係するお話しをしたいと思います。
不動産を売却した場合にこの特例制度を受けるときは次の算式で譲渡所得
金額を計算します。
(譲渡価額)−(取得価額+譲渡費用)−3,000万円=譲渡所得金額
例えば、かつて1,000万円で購入した自宅を5,000万円で売却したとし
ます。この場合、譲渡所得金額は次のとおりです。
5,000万円−1,000万円−3,000万円=1,000万円
そして、譲渡所得税額は次のとおり計算します。
1,000万円×10%(又は15%)=100万円(150万円)
※建物の経年劣化による減価償却費は無視しています。
しかし、バブルの頃ならいざ知らず1,000万円で購入した自宅が5,000万円
で売却できるようなことは現在ではほとんどないでしょう。
大抵は 譲渡価額<取得価額 となるケースが多いので、この特例の適用
を受けなくとも譲渡所得税がかからないことが多いです。
しかし、親から相続した自宅を売却する場合、この特例を使う場面が
よくあります。
相続で取得した場合の取得価額は親が取得した取得価額を子が引継ぎます。
親が取得したときですから、相当昔に取得した場合が多く、価格もかなり
低い場合が多いのです。
また、その親もそのまた親から相続でその自宅を取得していれば、その
取得価額はさらに遡ることになります。
したがって、今売却したら1億円する土地建物を数百万円で購入していた
ということもあるわけです。
ではこの相続が発生したときに、その自宅に複数の相続人が住んでいて、
これを数年後に売却することになったとします。
この時に、【建物の所有者が誰であるか】によって売却時の譲渡所得税に
大きな差がでることがあるので注意が必要です。
具体例をあげてみてみましょう。
(前提条件)
○被相続人:父A
○相続人:母B、子C、子D
○父A、母B、子C、子Dは父A所有の自宅に同居 ○高齢の母Bが養護施設に入居するのを機に、自宅を売却
○売却価額:9,000万円
○取得価額:900万円
上記の前提で、
(1)土地・建物を母B、子C、子Dが1/3ずつ共有で相続していた場合
(2)土地は母B、子C、子Dが1/3ずつ共有、建物は母Bが単独相続していた場合
では譲渡所得税がどれだけ差がでるのかを見てみましょう。
(なお、計算を簡便にするため、建物の価額は0として計算します。)
(1)土地・建物を母B、子C、子Dが1/3ずつ共有で相続していた場合
この場合、居住している母B、子C、子Dすべてについて、
【3,000万円控除の特例】が受けられます。
そして、3人それぞれが3,000万円の控除が受けられます。
つまり、3,000万円×3人=9,000万円の控除が受けられるのです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
具体的には下記のとおり計算します。
@売却価額:9,000万円×1/3=3,000万円
A取得価額:900万円×1/3=300万円
B譲渡所得金額:@−A−3,000万円=▲300万円<0円 ∴0円
C譲渡所得税額:0円×3人=0円
(2)土地は母B、子C、子Dが1/3ずつ共有、建物は母Bが単独相続していた場合
この場合、建物を所有している母Bは【3,000万円控除の特例】が
受けられます。この点は(1)も(2)も同様です。 しかし、子C、子Dについては、原則として【3,000万円控除の特例】
を受けることができないのです。
その理由は『建物を所有していないから』です。
具体的には下記のように計算します。
(母B)
@売却価額:9,000万円×1/3=3,000万円
A取得価額:900万円×1/3=300万円
B譲渡所得金額:@−A−3,000万円=▲300万円<0円 ∴0円
C譲渡所得税額:0円
(子C、子D)
@売却価額9,000万円×1/3=3,000万円
A取得費900万円×1/3=300万円
B譲渡所得金額:@−A=2,700万円
C譲渡所得税額:2,700万円×15%×2人=810万円
なお、上記の場合でも一定の要件を充たしている場合は【母Bが
3,000万円控除をした残りの300万円部分】について控除を受ける
ことができ、税率も10%になります。
この場合の税金は下記のとおりです。
(子C) @譲渡所得金額:2,700万円−300万円=2,400万円
A譲渡所得税額:2,400万円×10%=240万円
(子D)
譲渡所得税額:2,700万円×10%=270万円
譲渡所得税合計額:240万円+270万円=510万円
(1)の場合は税金が0円
(2)の場合は税金が510万円〜810万円
となります。
同じ家に居住しているのに建物の所有者が違うだけでこれだけ
税金が変わってくるのです。
これはこの特例制度が【自宅所有者のための特例制度】であるためです。
いかがでしょうか?
譲渡所得税の計算については、今回はご紹介していませんが、この他
にも留意すべき点が多く、慎重な判断が求められます。
上記のように相続を介して自宅を取得した場合、これを売却する(した)
段階でこのような納税額の違いに驚かされる方も多いのです。
上記の計算は所得税だけですが、納税額は住民税にも影響してきますので、
最大で1,080万円も納税に差がでることになります。
よく不動産を相続する場合、「共有は後々揉めるので避けろ」と言います。
それについては私も賛成です。
しかし、近い将来売却することを視野に入れて、自宅を相続する場合、
居住者が建物と土地を共有で相続することで大きく節税になることもある
のです。
この場合は【建物を共有】することがポイントになります。 相続絡みの譲渡はこのように売却してから失敗したことに気づく場合があり
ますので、売却を検討する段階でご相談くださいね。
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