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件名:◆節税対策メルマガVol.107◆消費税還付スキームの寿命は?
日付:2018/08/20
差出人:石井税理士事務所 



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   『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』Vol.107
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さて今回は巷ではやっている金(Gold)の取引を利用した消費税還付

スキームについてのお話しです。


この消費税還付スキームは不動産(一棟マンション等)を購入したときに

建物に係る消費税の還付を受けるために、課税取引である金の地金の売却

を行い、課税売上を発生させることで消費税の還付が可能になる、という

スキームです。

(なぜ消費税の還付が可能になるかの説明は、話しが長くなるので今回は

割愛します。)



過去には「自販機の設置」を利用した消費税還付スキームがありました。

自販機収入という、わずかな課税売上を生じさせることで新築マンション

工事費の消費税還付を受けるスキームです。

このスキームは消費税還付の合法的な節税策として広く行われていました。

しかし、あまりにも露骨なスキームでしたので国税も「待った」をかけ、

平成22年度の税制改正でこのスキームは使えなくなりました。


しかしこの税制改正には抜け道があって、別の方法を使った消費税還付

スキームが新たに生まれました。それは2年間寝かした法人を利用した

消費税還付スキームで、計画的に正しい手順を踏めば消費税の還付を受ける

ことができたのです。

しかしこのスキームについても国税当局が黙っているはずもなく、

平成28年度の税制改正によって再びこのスキームも封じ込められました。


なにやら国税と納税者の「いたちごっこ」の様相ですが、この税制改正にも

やっぱり抜け道がありました。

それが現在行われている金取引を使った消費税還付スキームです。


この金取引を使った消費税還付スキームについては「脱税ではないのか?」

と税理士でも否定的な見解を持つものも多いです。


では実際のところ大丈夫なのでしょうか?


これについては参考となる興味深い判決がありますのでご紹介しましょう。

ご存知の方も多いと思いますが「ほけんの窓口事件」の判決です。


概要は「ほけんの窓口」の創業者が、投資用マンションを購入した際に

消費税の還付を受けるために中古車販売を行って、消費税の還付を

受けようとしたもの。

消費税約2,500万円の還付を受けたのですが、この中古車販売が架空売上

と認定されて消費税法違反・有罪判決を受けました。

消費税還付のスキームについては実際に指導したコンサルタントがおり、

創業者はコンサルタントに言われるがままにお金の振込み等を行っていました。

そのお金の入金・出金はすべてコンサルタントの口座を介して行われていて

創業者が中古車販売業者と直接取引をすることはなく、さらには消費税還付

のスキーム自体も理解していない状況だったそうです。


東京高裁では当事者が取引に関与することはなく、取引の有効性も

理解できていない状況ではその取引は架空であることをうかがわせるとして、

「取引」を否認し、脱税であると判決を下したのです。

つまり、当事者がスキーム自体も理解しておらず、取引行為を他人任せに

行っていたことは取引の実態がない行為であり、取引の実態がない行為

はそもそも合法的な節税ではなく租税回避とも異なる「脱税」行為に

あたる、という判断です。


この判決は中古車販売を使った消費税還付スキームでしたが、

金取引についても同じことが言えます。

すなわち、


 ○金取引は必ず当事者が行い、税理士・コンサル任せにしない

 ○消費税還付スキームをよく理解して行う


ことが重要になります。


実は消費税法については「取引」を否認する明文規定がありません。

つまり「金取引」という取引を当事者が実際に消費税還付スキームを

理解した上で行っているのであれば、取引の実態はあるわけで、

この行為を否認することはできない、というわけです。


一方で消費税法については「租税回避」を否認する規定があるのですが、

消費税還付スキームの「租税回避」は「節税」に含まれることなり、

消費税の還付を受けることが可能となります。



 いかがでしょうか?


話しがややこしく、腑に落ちない点もあるかと思いますが、まあこのような

見解もある、ということでご容赦ください。


ところでこの消費税還付スキームはこの4月から税務署に確認資料として

金取引の明細についても提出を求められていることから、そろそろ

このスキームも使えなくなると予想されています。

早ければ今年度の税制改正で発表され、平成31年4月以降の取引からは

使えなくなるという予想がありますのでご留意ください。


なお私はこのスキームのコンサル・指導とかは一切行っておりません。

行う場合は信頼できる税理士・コンサルに相談して行ってくださいね。


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