「『あらゆる節税対策を紹介する』メルマガ」 (バックナンバー閲覧)
----- 石井税理士事務所 -----


件名:◆節税対策メルマガVol.95◆新医療費控除の節税効果は?
日付:2017/08/21
差出人:石井税理士事務所 


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

   『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』Vol.95
  (毎月第3月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)配信)

     発行:石井税理士事務所
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


◆顧問契約、単発のご相談(相続対策など)のお問合せは
 047−302−8011(平日9:00〜18:00)
 http://ishiizeirisi.com/contact

◆ホームページにて税務・経営最新情報を随時更新しています。

 1. やさしい税務会計ニュース
 2. お仕事カレンダー
 3. 会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座
 4. 旬の特集
 5. WORD、EXCELでそのまま 使える経理総務書式集

 http://ishiizeirisi.com/


************************************************************

先日、地元の司法書士会から「司法書士向けの相続対策セミナー

の講師をしてほしい。」とのご依頼を頂き11月中旬に行うことになりました。

相続税対策セミナーは開業当初は年に数回行っていましたが、

年々仕事量が増えて、ここ最近はあまり行っていませんでした。

久しぶりのセミナーで、しかも法律のプロの司法書士の先生方向けの

セミナーなので、どんな内容を話そうかと今からワクワクして思案して

いるところです。


さて、今回は相続対策とは全く関係ありませんが、今年から始まった

「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」について

お話ししたいと思います。

この新税制、意外と知らない方が多いようなので今回取り上げるに

しました。


従来の医療費控除制度は年間に支払った医療費が10万円を超えれば

10万円(又は所得金額が200万円未満の人は総所得金額5%の金額)

を越えた金額が所得控除を受けられる制度です。

なので、年間の医療費が10万円以下だと原則切り捨てられ医療費控除

は受けられません。


今回のセルフメディケーション税制は年間の医療費が10万円以下でも

【OTC医薬品】と呼ばれる市販薬の年間購入額が12,000円を越えれば

所得控除が受けられます。

このセルフメディケーション税制は従来の医療費控除と併用できない

点に注意が必要です。

したがって、どちらの制度を使ったほうが節税になるのか、比較検討

する必要があります。


では、それぞれの制度の適用要件から比較してみましょう。


【1】対象となる医療費

 医療費控除…治療費、交通費、処方箋、市販薬等広範囲

 セルフメディケーション税制…一部の市販薬【OTC医薬品】に限定


【2】所得控除金額

 医療費控除…10万円を越えた金額が対象

 セルフメディケーション税制…12,000円を越えた金額が対象


【3】所得控除限度額 
 
 医療費控除…200万円

 セルフメディケーション税制…88,000円


【4】その他の制限

 医療費控除…特になし

 セルフメディケーション税制…予防接種や健康診断を受けていること



このように従来の医療費控除と比較するとセルフメディケーション税制

は対象範囲も控除金額も規模の小さい制度ということがわかります。


気になる点としては【OTC医薬品】とはどのような医薬品なのか、

ということですが、一般的な市販薬は大体対象になります。

例えば、バファリン、ロキソニン、ベンザブロック、ガスター10など、

約1600品目が対象となります。

ただし、例えば『青い箱のベンザブロックIP』と『銀色の箱のベンザブロックL』

は対象となりますが、『黄色い箱のベンザブロックS』は対象外になっているなど、

同じ商品名でも、特定の成分を含んでいない医薬品は対象外となりますので

ご注意ください。


対象商品の一覧は厚生労働省のHPの「対象品目一覧」(後述)

で確認することができます。

また、ドラッグストアのレシートには★印や●印がついてあり、

「★印はセルフメディケーション税制対象商品です。」のように記載されています。


それから、セルフメディケーション税制は予防接種や健康診断を受けていないと

適用されません。

毎年定期健康診断を受けている人はいいですが、2〜3年に1回という方も

多いと思います。

しかし、例えばインフルエンザの予防接種でもOKですので、ちょっと時間

を取って受診するようにしてみてください。


次に、どちらの制度を使ったほうが節税になるのか比較してみます。

これについては上記の【2】所得控除金額と【3】所得控除限度額

に留意してそれぞれの所得控除金額を比較してみればわかります。


【事例A】

(1)医療費:5万円

(2)OTC医薬品購入金額:3万円


 →(a)医療費控除額:5万円−10万円<0 ∴0(適用なし)

  (b)セルフメディケーション税制控除額:3万円−12,000円=18,000円

  (c)(a)<(b)∴セルフメディケーション税制が有利


【事例B】

(1)医療費:15万円

(2)OTC医薬品購入金額:8万円


 →(a)医療費控除額:15万円−10万円=5万円

  (b)セルフメディケーション税制控除額:8万円−12,000円=68,000円

  (c)(a)<(b)∴セルフメディケーション税制が有利


【事例C】

(1)医療費:20万円

(2)OTC医薬品購入金額:12万円


 →(a)医療費控除額:20万円−10万円=10万円

  (b)セルフメディケーション税制控除額:

    12万円−12,000円=108,000円>88,000円 ∴88,000円

  (c)(a)>(b)∴医療費控除が有利


最後にどれくらい節税になるかですが、これは所得金額によって

変わります。収入が多い人ほど税率が上がりますので節税額も

大きくなります。


具体例としてOTC医薬品購入金額5万円の場合の節税効果

(所得税と住民税の減税額)を計算してみます。

※実際の減税額は、その他の所得控除額によっても左右されますので、

 あくまでも目安としてお考えください。


 所得金額195万円以下:5,700円
 
 所得金額195万円超330万円以下:7,600円

 所得金額330万円超695万円以下:11,400円
 
 所得金額695万円超900万円以下:12,540円

 所得金額900万円超1800万円以下:16,340円

 所得金額1800万円超4000万円以下:19,000円

 所得金額4000万円超:20,900円


  いかがでしょうか?


医療費控除との比較計算と節税額の計算シミュレーション

については「日本一般用医薬品連合会」のHPにアップされていますので

参考にしてみてください。


個人の節税対策としてはその他有効な対策として以下の制度があります。

これらの制度を複数行うことでより大きな節税効果が発揮されますので

いろいろと検討してみてくださいね。


・住宅借入金等特別控除

・小規模企業共済(経営者・個人事業主限定)

・倒産防止共済(経営者・個人事業主限定)

・寄付金控除(ふるさと納税)

・iDeCo(確定拠出年金)

・生命保険料控除

・地震保険料控除


(参考)

 厚生労働省「セルフメディケーション税制対象品目一覧」
 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000174707.pdf

 日本一般用医薬品連合会「知って得するセルフメディケーション税制」
 https://www.jfsmi.jp/lp/tax/

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「『あらゆる節税対策を紹介する』メルマガ」

(毎月第3月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)配信)

 発行:石井税理士事務所
 住所:千葉県市川市八幡2-11-13
 電話:047-302-8011

 メルマガの感想・お問い合わせはこちら
 ishii@ishiizeirisi.com

 石井税理士事務所ホームページ
 (経営者向けサイト) https://ishiizeirisi.com/
 (相続専門サイト)  https://ishiizeirisi.p-kit.com/

メールアドレスの変更は次のURLをクリックしてください
<メールアドレス変更URL(アドレス確認なし)>

バックナンバー閲覧は次のURLをクリックしてください
<バックナンバー閲覧URL(アドレス確認なし)>

購読停止は次のURLをクリックしてください
<購読停止URL(アドレス確認あり)>

メルマガシステム運営
JCity : http://www.jcity.co.jp/?ac=17S17S17S22066


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
バックナンバー一覧に戻る